日本感染症学会様ホームページにおける低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌に関する回答の補足について。(2018年6月7日記載)

 

 前身の1926年設立の日本伝染病学会から1974年に名称変更された日本感染症学会は、「その時代に問題となる感染症に対して学術・研究を推進している」歴史と伝統のある学会であり、この学会では医療現場で出てくる様々な院内感染対策に関連する質問に対して相談窓口を設けており、質問に対して的確な回答がなされてきました。この相談窓口事業は残念ながら2015331日をもって終了となり、現在はホームページで過去の質問回答事例を確認することができるのみとなっております。

 

 ここの20073月公開分のQA事例、Q -15に「低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌装置」に対する質問に対して、「緊急処置として用いる場合を除き医療の現場では使用するべきではありません」という回答がなされているために、2018年の現代において低温蒸気ホルムアルデヒド(LTSF)滅菌装置を採用して本当に大丈夫なのか?と弊社にご質問をいただくケースが増えてまいりました。

 

 低温蒸気ホルムアルデヒド(LTSF)滅菌が日本で使用可能となったのは2011年であり、上記学会への質問の回答がなされた2007年当時は、国内ではLTSF滅菌は認可を受けておりませんでした。現在では日本医療機器学会から刊行されております「医療現場における滅菌保証のガイドライン2015」にも掲載されている一般的な滅菌法ですが、2007年当時は、この滅菌方法に関する十分な情報が、日本には入って来なかったのではないか?と予想されます。

 

 

 

現在の実情に沿ってないご回答が記載されておりましたので、日本感染症学会事務局様へお問い合わせをさせていただいたところ、

 

※ 回答については、質問時の基準に沿って回答しておりますので、現時点とは異なっている場合もございます。

 

という注意書きを追加記述いただけることとなりました。

 

 ホルムアルデヒドを利用した滅菌法が日本で認められるようになったのは、2005年のことなので、LTSF滅菌は、2007年当時日本ではまだ「滅菌」としての認可が取れていませんでした(当時は「消毒器」としての認可でした)。現在では、上述の通り「医療現場における滅菌保証のガイドライン2015」にも掲載されておりますし、広く日本で使用できる滅菌法として認知されております。日本医療機器学会学術大会では、第91回大会と第93回の大会において東京医科歯科大学医学部附属病院 材料部副部長 久保田英雄先生からホルムアルデヒドの気中濃度は0.08ppmのガイドライン値内に管理されているために、特化則の規制を受けないとのご報告もなされております。

 

 

 上記の解説の通り、日本感染症学会様の記述は2007年(質問時)の基準に沿って回答がなされておりますので、2018年の現時点実情と異なる回答がなされていることについてご理解賜りたくお願い申し上げます。

 

 2007年当時は、日本の医療現場では、まだ「ホルマリンボックス法」が普及しており「低温蒸気ホルムアルデヒド(LTSF)滅菌法」とは異なる処理方法であるとの認識が不足していたのではないか?と考えらます。

 

EU 諸国では環境問題の観点から個別の病院ではエチレンオキサイドガス滅菌(EOG 滅菌)は行われず、低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌(LTSF 滅菌)が一般的である。」「感染予防対策のためのナーシングスキル 基礎編」診療と新薬・第51巻 第7(20147) 47ページ(3)滅菌(表7)

 

との記載もあることも補足させていただきます。2018年現在、低温蒸気ホルムアルデヒド(LTSF)滅菌は日本の医療現場で選択可能な滅菌方法でございますので、ご安心してご採用をご検討ください。

 

 

追加のご質問がございましたら、弊社学術部までお問い合わせください。